こどもたちの笑顔に導かれ、山の幸探し
福岡県久留米市は県内で3番目に大きな都市で、商業と農業が盛ん。九州一の大河『筑後川』と雄大な『耳納連山』に囲まれ、水と緑が豊かな街だ。
福岡市内の西鉄福岡(天神)駅から西鉄久留米駅まで急行で約40分、そこからさらにバスで約20分。『青峰こども園』を目指して青峰校前バス停で下車すると、開放的な景色が目の前に現れた。
秋の訪れを横目に感じながら歩いて2分、園にたどり着いた。すると、ちょうどお散歩に行く支度をしている様子。「一緒に着いていってもいいですか?」と先生に聞くと快諾していただいたので、年少さんのみんなと近所を歩くことに。
「ねぇ、なんしにきたとー?」
「なんでカメラもっとーと?」
元気いっぱいのこどもたちから次から次へと声をかけられ、なんだかこちらまで気持ちが明るくなる。
道には車が少なく、お散歩するのにはピッタリだ。先生方が日頃から交通ルールを教えているそうで、列を乱さずたしかな足取りを保つこどもたちの姿が頼もしい。
園の周辺は自然に恵まれ、たくさんの落ち葉や木の実が落ちている。こどもたちにとっては絶好の遊び場だ。「見てみて〜!ハートの葉っぱだよ」と無邪気に差し出してくれたのがこちら。
今日の一番の収穫物はむかご。むかごとは、ヤマイモのつるになる「肉芽(にくが)」のこと。貴重な山の幸として昔から親しまれているそうだ。「ご飯に入れたら美味しいとよ」とこどもたちが教えてくれた。驚いたのは、自然のなかのことに関しては、大の大人よりもよっぽどこどもたちの方が詳しいこと。日々五感を使いながら自然と接する経験は、きっと一生ものになるはずだ。
こどもと先生が同じ目線で活動内容を決める文化
園に戻ると、新泉園長先生がにこにこしながら迎えてくれた。
「自然いっぱいだったでしょう。つい最近までは、どんぐりがたくさん落ちていたんですよ」
ーー こんなにあるんですね!
「なかなかどんぐりの枝まで見ることはないかもしれないですね。このどんぐりでクリスマスの制作をしたりします。うちの園では、こどもたちに『本物の体験』をしてもらうことを大切にしているんです。園の畑で今は大根と玉ねぎを育てていますが、この間まではさつまいもを植えていて、最近収穫しました。あとは、先生たちとこどもたちで話し合って、今年からは、あずきともち米も育てました」
ーー それはすごい!こどもたちも一緒に決めるんですね。
「そうなんです。こどもたちとクラス担任の先生で話し合って活動内容を決めることが多いです。
夏にはキャンプもしていて、毎年カレーを作っています。カレーのトッピングもこどもたちに決めてもらっていて、よくチーズとかの意見は出るんですけれども、今年はちりめんじゃこというアイディアが出たんです(笑)。実際にちりめんじゃこをトッピングしてみたら、『美味しい!』と言ってみんな完食していましたよ。
キャンプでは、毎年自分たちでTシャツやバンダナ等を玉ねぎ染めして、それを着るんです。なかなかそういう機会もないので、貴重な体験になっているんじゃないかなと思いますね」
大人にとっての『初めて』も共に体験していく
年長クラスを担当する田中先生に、こどもたちがどんな『体験』をしているのかお話を聞かせてもらった。
「5月にみんなで給食の先生のお家の田植えに行って、10月に稲刈りをさせてもらうんです。それまでの期間ずっと写真を撮ってもらい、『大きくなったね』『色が変わってきたね』と稲の様子を観察しています。
稲を刈った後は精米し、もち米にしてもちつきをします。そしてその稲藁を使ってしめ縄作りもするんですよ。このように昔ながらの、年間を通して取り組むような活動は、なかなかどこでもできる経験ではないのかなと思います。実は私自身このような経験をしてこなかったので、こどもたちは5歳でこのような体験ができるなんてうらやましいですよ(笑)」
ーー 保育が好きなことが伝わってきます。お仕事は楽しいですか?
「そうですね。大変ではありますけど、こどもたちが目に見えて成長していく様子を見守ることができるのは、この仕事ならではのことだなと。この2年間、4・5歳児と持ち上がりで担当しているので、卒園の日には号泣しちゃうでしょうね。保育園のこどもたちは朝から夕方までいるので、長い時間を一緒に過ごしていると愛着も湧きますね」
心から楽しみながら保育ができる環境
次にお話を聞かせてもらったのは、転職で『青峰こども園』に来たという内藤先生。
ーー 転職を決めた理由はなんですか?
「ここの園庭を初めて見たときに、自然がたくさんあって、木陰でこどもたちが遊んでる姿にすごくいいなと感じたんです。どんぐりを拾ったり、畑があったり、山も見えるし…。自然に囲まれた環境に惹かれて、こどもはもちろん、大人も自然体でいられるんじゃないかなと思って、転職を決めました」
ーー 自然のなかでの印象的な活動はありますか?
「やっぱり染めものですかね。この前はクサギの実を採ってきて、それで染めたらきれいな青色になりました。自然物を使った染めものなので、こどもたちにとってはより身近に感じられるのがいいなって思っています。
木の実以外にも、例えばマリーゴールドとか。今年、ひまわりを育ててみて、ひまわりの花びらでもできそうだねって話していて、保存しています。自分もこどもに戻った気分でいろいろ実験できて楽しいですよ。そういうところも、この園の良さですね」
ーー こどもに戻った気分を味わえるのはいいですね。
「それが一番なんです。やっぱり仕事であっても、こどもたちと同じくらい自分自身が楽しまないといけないんですよね」
ーー 先生方はすごく仲が良さそうに見えるのですが、実際いかがですか?
「いろんな先生たちがいますが、みんなあたたかいですね。肩の力を抜いてなんでも話せる雰囲気がいいなと思います」
ーー 今後、どんな人と一緒に働いていきたいですか?
「明るくて元気で、思いやりのある人ですね。笑顔いっぱいでこどもたちと楽しく遊べる方に来ていただきたいです。きっと保育園の雰囲気ももっと明るくなりますよね」
ーー 後輩育成で大事にしてることはありますか?
「伝え方ですかね。こどもたちにも話しているのですが、伝え方一つで相手が嫌な気持ちになってしまうことがあるので。後輩の先生に何か注意や指導をするときでも、言葉を丁寧に選んで、気持ち良く反省しつつ学んでもらえるといいなと思っています」
たしかな絆で結ばれた先生たちと助け合いながら
最後にお話を聞かせてもらうのは、『青峰こども園』に就職して7年目の二児の母、大石先生。
久留米生まれでこの街が大好きだそうだ。
ーー お子さんがいらっしゃるそうですが、働きやすさはいかがですか?
「自分の子と同じ年齢のこども達を見ているので、自分の子育てのことも周りに相談ができて勉強になります。こどもが熱を出したときも休みを取りやすくて助かっています。自分が学生のときは親の気持ちが全然わからなかったけど、働き出したら親の気持ちも先生の気持ちもわかるようになりました。なんだか感慨深いですね」
ーー 業界的に、結婚や出産をしたらパートになったり一旦離れる方も多いですが、その選択はされなかったんですね。
「正直、大変ですけどね。同じ経験をしてきている先生がたくさんいるので、いろいろとアドバイスをしてくれます。困ったことがあればすぐに相談できる環境があるのは、ありがたいことです。自分も実際に子育てしながら勉強をして、保育も同時にできるって、いい経験をしているなと感じます。先生たちは本当に思いやりがあって、仲間としての絆を感じますね。いつもとても感謝しています」
印象的だったのは、先生方が口を揃えて「職員の関係性があたたかい」「お互いになんでも話せて安心感がある」と話してくれたこと。自然と密接に関わりながら伸び伸びと成長するこどもたちの無邪気さ、職員がお互いを気遣う優しさを感じることができたひとときだった。
法人名 | 社会福祉法人 青峰愛育会 |
園名 | 青峰こども園 |
所在地 | 福岡県久留米市青峰2丁目3-1 |
電話番号 | 0942-43-9502 |
園児数 | 140人 |
職員数 | 45人 |
募集職種 | 保育士 |
仕事内容 | 0~5歳までの乳幼児の保育と幼児教育 |
雇用形態 | 1、正規職員 2、非常勤職員 試用期間3ヶ月(試用期間中同条件) |
給与 | 1、正規職員 月額賃金・手当 204,000〜218,200円 基本給 184,000〜193,200円 シフト手当 5,000円 処遇改善手当 15,000円〜20,000円 通勤手当 実費支給 自動車利用は上限11,900円 2、非常勤職員 月額賃金・手当 193,000〜198,600円 基本給 183,000〜183,600円 シフト手当 5,000円 処遇改善手当 5,000円〜10,000円 通勤手当 実費支給 自動車利用は上限11,900円 |
待遇 / 福利厚生 | ・雇用、労災、健康、厚生年金加入 ・退職金共済加入 |
勤務地 | 青峰こども園 (福岡県久留米市青峰2丁目3-1) |
勤務時間 | 7時~18時までのシフト制 1時間休憩と8時間の勤務時間 |
休日休暇 | ・105日 ほぼ週休2日制 ・年末年始休暇(12/29~1/3) |
応募資格・条件 | 保育士免許、幼稚園教諭免許 |
求める人物像 | 明るく、元気で、楽しく、園児と一緒に遊んでいただける方 |
選考プロセス | 園を訪問いただき、面接を行う。 |
ホームページ | https://seihou-hoikuen.jp/ |
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