地域ぐるみでフットワーク軽く活動を広げる
『南畑ピノキオ森のこども園』は、2018年に町から市となった新しい街・福岡県那珂川市にあるこども園だ。那珂川市は里山に囲まれていながら、都心へのアクセスも抜群。近年は移住者に人気のエリアとなっている。
今回お話を聞いた『南畑ピノキオ森のこども園』も、そんな那珂川市の自然豊かなエリアにあり2022年4月にできたばかりの新しいこども園。開園して1年余り、どんな保育者たちによって、どんな保育が行われているのだろうか。
自園の魅力は「地域との繋がりを自分で作り、それがこどもたちの活動となっていくところ」。そう話してくれたのは、33歳という若さで園の立ち上げを手掛けた上戸園長だ。
ーー 具体的に地域とどんな関わりがあるんですか?
園長「この南畑地域でイベント企画をしたり、活発に活動されているママさんサークルと開園前から仲良くさせていただいていて。あとは、開園を楽しみにしてくれる子育て世代の方たちや農家さんたちとも知り合うことができて、『開園したら園庭に畑を作ってくださいね』といったコミュニケーションを取っていました。元々このあたりにあった幼稚園の園長から自治会長やJAの方を紹介していただいたりもしましたね。
そうした関係性がすでに築けていたので、開園時に行った餅まきに集まってくれたり、ハロウィンなどの行事や農業体験に協力してくれたり、地域との繋がりがすぐに形になっていくところがすごくおもしろいなと思っています」
ーー ご縁が繋がっていく感じが素敵ですね。地域の方々の温かさが伝わってきます。
園長「街を上げて移住促進に取り組んでいることもあって、パン屋や作家だったりママさんサークルをがんばっている移住者が結構多いんですよね。移住者と地元の方々が手を取り合って何かやってみよう、という雰囲気があります。当園としても歓迎されているなと感じました。この南畑っていう地区は、那珂川市のなかでもちょっと特別なフットワークの軽さがあって、田舎ならではのしがらみみたいなものは意外とないですね」
四季の移ろいをそのまま保育に取り入れて
開園時から『南畑ピノキオ森のこども園』で働き、自身も移住者の立場である大島先生の目にはどう映っているのか聞いてみた。
ーー 大島先生から見て印象的だった地域とこどもの関わりについてのエピソードはありますか?
大島「こどもたちからしてもご近所さんということもあるので、すごく自然に地域の大人たちのなかに入っていけるのはいいですよね。たとえば田植え体験のときも、人見知りをしたり緊張して怖気づくわけでもなく、周りの人と一緒になって取り組みながら『自分はこれをやってみたい』と提案したりしている姿を見れたのが印象的でした。保育者から促さなくても自ら『こうしたい!』という気持ちを出しやすい環境なんだと思います」
ーー 地域の温かさがこどもたちの自発性に繋がっているのかもしれないですね。エリアとしての特性を活かした活動は何かありますか?
大島「近くの公園に川が流れているのでみんなで遊びに行ったり、そういう自然とふれあう活動が気軽にできるのがお気に入りですね。園の環境としても、やりたいと思ったことをすぐに相談できて実現できるところもいいですね」
園長「この街は四季にそれぞれおもしろみがあって、冬には雪が1ヶ月以上積もるんです。思いきり雪遊びができるというのはいいですよね。夏は市街地より気温が低いから外でも過ごしやすい。春は桜をはじめとした季節の花がたくさん咲いて、秋には収穫をさせてもらったり。四季を感じられる活動は、保育の原点でもあるなと感じます」
柔軟な保育を生み出す、ちょうどいいゆるさ
ーー 大島先生は開園当初からこちらで働かれているそうですね。職員同士の関係性はいかがですか?
大島「『この子のこんなおもしろいエピソードがあったよ』という話だったり、『この子が最近こんなことに取り組んでいる』という情報共有がすぐにできる関係性なので、一緒にこどもたちの成長を楽しめていますね。それぞれできることが増えているのをリアルタイムに共通認識できるような関係性が築けているのがいいなと思います」
ーー 先生方のコミュニケーションも日頃から活発にされているんですね。
大島「保育計画がガチガチに固められてないので、ちょっとした思いつきで『これをやってみたいですよね』ってほかの先生に話すとすぐに『いいね!』と肯定的に返ってくるんです。そこからどうしたら実現できるかを親身に考えて、それをこどもたちに提供して。こどもたちがどんな反応をするかを一緒に体験してくれることがすごくありがたいですね。自分一人ではできないことも提案してみたときも、先生方が『こういう風にしたらいいんじゃない?』とアイデアをくださったり、いつも助けられています」
チーム保育でお互いの個性を活かし合う
ーー 自分らしく保育ができているなと思う瞬間はありますか?
園長「チーム保育でお互いの得意を活かし合って保育ができているのは私たちらしさですね。僕が現場にいるときの話になりますが、正直、製作が苦手なんですよね。そんなときにはほかの先生たちが手伝ってくれたり、そもそも僕のアイデアにない作品を持ってきてくれたり、大いに力をもらいながら苦手分野も乗り越えていった経験があります。逆に、製作を手伝ってもらう代わりに、僕が得意な体操教室をやったりクラスの集まりをやったりとか、連携しながらやっていましたね。
先生同士、長く一緒に働いていると得意不得意が見えてくるので、さりげなくフォローし合っています。それぞれの得意なことを活かし合えていて、いいチームワークだなと思いますね。保育園だからこういうことをしなければならない、ではなく、時代に合わせて保育がどんどん柔軟になっていっているのがおもしろいですよね。ユニークな個性が伸ばせる環境だと思います」
ーー 先生たちが自分らしさを大切にできているのが素敵ですね。
園長「僕も以前は『保育士だからピアノは弾けないといけない』『エプロンをつけないといけない』みたいに、無理してでもがんばろうと働いていたんです。けれどあるとき、当時の園長に『先生はエプロンつけるの好きなの?』って聞かれて。『できれば外したいです』と素直に答えたら、『そもそもつけなくていいんだよ』と言われて、そこからいろんな固定概念が外れてきたんですよね。
僕はギターが得意なんですけど、それまで一回も保育に使っていなかったんですよ。けれどその一言からピアノではなくギターを弾くようになったり、好きな服を着るようになったり、趣味も意外と仕事と繋がっているなと思えるようになったんです。自分の得意なところを通して、先生やこどもたちに恩返しできているなと感じています」
地域交流が決して特別なものではなく、日常的に行われていることがこどもたちにとって安心感に繋がっている『南畑ピノキオ森のこども園』。お話を聞くなかで地域の人々の温かさが伝わってきて、多くの移住者が集まるのも思わず納得してしまう。
チーム保育の文化が根付いているからこそ、お互いを信頼でき、自分の得意を活かしながら先生たち自身も伸び伸び過ごせているのが印象的だった。固定概念に縛られない働き方は、きっとこれからの時代の保育者たちのお手本になるかもしれない。
法人名 | 社会福祉法人 正道会 |
園名 | 南畑ピノキオ森のこども園 |
所在地 | 福岡県那珂川市大字埋金811-1 |
電話番号 | 092-951-0777 |
園児数 | 60人 |
職員数 | 26人 |
募集職種 | (1)保育教諭(2)保育士 |
仕事内容 | 保育業務全般 |
雇用形態 | 1、保育教諭 正社員非常勤 2、非常勤 ・正社員登用あり ・試用期間あり(試用期間中同条件) |
給与 | 短大(専門)卒 207,000円〜 四大(院)卒 212,600円〜 ※詳細は採用ページをご覧ください |
待遇 / 福利厚生 | (1)社会保険完備(労災、雇用、健康、厚生年金) (2)退職共済 (3)産前産後休暇、育児休業 (4)短時間勤務制度、時間固定制度 (5)定年65歳以上再雇用制度 (6)各種研修(「ホスピタリティ&グローイングジャパン」による社会人力向上研修、各種キャリアアップ研修、「ギビングツリー」による見守る保育研修など) (7)インフルエンザ予防接種全額法人負担 (8)雇入れ時健康診断全額法人負担・社会保険(健康保険・厚生年金) |
勤務地 | 南畑ピノキオ森のこども園(姉妹園 那珂川市・福岡市博多区) |
勤務時間 | 7:00~19:00(延長保育含む)の中で実働8時間 シフト制 |
休日休暇 | (1)年間休日120日 (2)GW休暇、夏季休暇、アニバーサリー休暇、年末年始休暇 (3)時間単位年休、年休取得60%以上取得義務化 (4)選択的週休3日制度 |
応募資格・条件 | 保育士資格、幼稚園教諭免許をお持ちの方 |
求める人物像 | 子ども達の未来のため、時代のイマと捉え、新しい保育のカタチを一緒に作っていきましょう! |
選考プロセス | (1)書類選考 (2)一次面接・最終面接 ※お人柄重視のため実技試験はございません (3)内定 |
ホームページ | https://seido-kai.com/ |
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