「山の麓でちょっと分かりにくい場所にあるのですが、訪れる人たちはここの環境を気に入ってくれるんですよ」
福岡県久留米市、高良山の麓に位置するこうらうち幼稚園。創立70年以上の歴史の中で、豊かな自然環境を活かしてさまざまな教育活動を行ってきた。園長先生が言うように、都市部にある幼稚園と比較するとややアクセスしにくい立地だが、毎年多くの入園希望者がいる人気の幼稚園だ。
2012年には認定こども園として認可を受け、幼稚園に隣接する形でキッズハウスふたば(保育所)を創設。広大な敷地の中で0歳児から5歳児までの子どもたちがのびのびと生活している。
こうらうち幼稚園で子どもたちの教育に携わる魅力とは。園長先生と副園長である野村先生、そしてクラス担任を務める4人の先生に話を聞いた。
久留米市で70年以上続く歴史ある幼稚園
──訪れてみて感じましたが、本当に自然豊かな場所にあるんですね。
園長先生「山に囲まれた場所なので、四季の自然をそのまま感じることができます。子どもをのびのびと遊ばせたいという思いを持って、入園を希望される保護者の方がほとんどです」
野村先生「田園や山の風景をいつでも見ることができる環境は当園の特徴です。わざわざ遠くの公園に行かなくても、園の敷地とその周辺でさまざまな体験ができます」
──地域に根差して70年以上も幼児教育を続けてきたのですね。
園長先生「時代の移り変わりと共に変化してきたこともありますが、子どもたちの命を大切に育てるという基本姿勢はずっと変わりません。生活の中のさまざまな経験を通して、体も心も成長していけるようにしています。また、就学を視野に入れ、メリハリのある教育を実践しているところも昔から変わらないところだと思います」
野村先生「僕自身がここの卒園生なのですが、昔も今と変わらず自然の中でたくさんの遊びを楽しんでいました。園長先生の言うように、教育の中でメリハリを重視し、子どもたちの力を伸ばせるようにしています。僕が年長児を担任したときには、子どもたちが年少、年中時代に積み重ねたものを感じました。担任が手助けをしなくても、自発的に考えたり行動したりする姿が見られました」
五感を刺激する豊かな体験を
──自然環境を活かしてどんな活動をしているのですか。
園長先生「寒さや暑さから四季を感じたり、草花や昆虫に触れたりなど、子どもたちが自然の中で体験することを大切にしています。園の敷地内で七草を探して七草ごはんを作るのは昔からの恒例です。子どもたちも七草の名前をちゃんと覚えているんですよ。それと、山から木を採って焚き火体験やカレー作り、焼き芋をしています」
──現代を生きる子どもたちにとって、貴重な体験ができる環境ですね。
園長先生「そうですね。たとえば、家庭ではIHのキッチンが主流になってきたこともあり、子どもたちが本物の火を見る機会は昔と比べて減っています。薪をかまどに入れて火をつけて、煙の匂いを感じて……そうやって体で感じる経験を大切に考えています」
──こうらうち幼稚園では聴覚特別支援学校との交流もしているそうですね。
園長先生「聴覚特別支援学校との交流も50年以上続いている取り組みです。現在は年に数回ほどお互いの施設を行き来して交流の機会を設けています。手話で会話や歌を楽しんだり、支援学校の広いプールで泳がせてもらったり、コロナ禍以前は一緒に昼食を食べることもありました。子どもたちにとっても、障がいのある人との関わりを通じて多様性を学び、思いやりの気持ちを育む機会となっています」
辛いことも楽しいことも分かち合える同期の絆
こうらうち幼稚園で働いている先生たちは、どんなことを感じているのだろうか。入職から3年目を迎える4人の先生の声も紹介しよう。
──こうらうち幼稚園で働く楽しさや魅力について教えてください。
「園庭が広く自然がたくさんある環境が魅力だと思います。四季折々の自然を活動の中に取り入れることができます。この環境は自分の保育観にも合っているなあと感じました」
「私も、草花や昆虫などたくさんの生き物に触れることができる環境が好きです。それから、もともと手話に興味があったので聴覚特別支援学校との交流があるところもこうらうち幼稚園ならではのよさだと感じています。手話を身につけることで、自分のコミュニケーションの幅が広がりました。子どもたちとも普段から手話で挨拶や歌を楽しんでいます」
豊かな自然環境の中で保育ができることや、聴覚特別支援学校との交流は先生自身の学びと成長にも繋がっているようだ。
「色々な活動や行事があるので、子どもたちと一緒に達成感を味わうことができます。豊かな自然環境の中で新しい発見や子どもたちから学ぶことも多く、やりがいを持って働いています」
「ここには、子どもたちが思い切り遊ぶことができる自然環境がたくさんあります。私自身も子どもたちと一緒に遊びを楽しみ、子どもたちが幼稚園生活を楽しいと感じてくれるように頑張っていきたいです」
4人のうち2人はこうらうち幼稚園の卒園生。「七草探しや焼き芋、手話の体験などは自分が子どもの頃からずっとあった」と懐かしそうに当時のことを振り返る。
入職してからこれまでに躓きや悩みもあったが、最近は同期同士で気兼ねなく意見を言い合える関係性になってきたという。仕事のモチベーションについて尋ねると「同期がいるから」と迷いのない答えが返ってきた。辛いことも楽しいことも分かち合える仲間がいることは、彼女たちにとって大きな支えとなっているようだ。
「子どもたちのために」という共通認識のもと、よりよい保育を探究する4人は、今では園内のキーパーソンとなっている。
子どもに一生懸命向き合ってくれる先生に来てほしい
──3年目の先生たちは、それぞれの持ち味を活かして保育に臨んでいるようですね。
園長先生「1年目では補助、2年目では主担任を務め、3年目を迎えた今年は気持ちにゆとりが出てきたようです。同期同士の関係性も深まり、以前より笑顔もたくさん見られるようになりました」
──これから一緒に働くなら、どんな人がよいですか。
園長先生「明るく元気な人がいいですね。でも、この園で働いているのは一見落ち着いていて、情熱を持っている人が多いかな。みんな真面目で、一生懸命子どもたちと向き合っています。最初から上手くできなくてもいいけど、子どもたちに対して一生懸命向き合ってくれる先生と一緒に働きたいです」
野村先生「たしかに、この園には協調するのが得意な人のほうが多いかもしれませんね。他の人のやることを応援してくれる優しい人がたくさんいます。ただ、先生たちにはメリハリを持って指導する姿勢は大切にしてほしいです。子どものよさを認め、肯定の眼差しを持ちながら、正すべき点にも気づいて指導・支援ができる人だといいなと思います」
園長先生「その年度によって子どもたちの姿もさまざまです。基本的に大切にしなければいけないことはそのままで、目の前にいる子どもに合わせて色々な手法を試してみてほしいですね」
──こうらうち幼稚園全体としての目標や展望があれば教えてください。
園長先生「先生たちが長く働き続けることができる園を目指したいです。昔は結婚して辞めてしまう人も多かったのですが、今は結婚して子どもを産んでも現場に戻ってくる人が増えました。職員のライフスタイルが変わっても、辞めずに働き続けられるように組織として体制を整えていきたいです」
70年以上ずっと変わらないものと、時代と共に変わっていくもの。両者がバランスよく存在し、関わる人たちを魅了するこうらうち幼稚園。職員の中に卒園生が多いのも納得だ。
子どもの頃に体験した楽しいことは、時間が経ってもずっと心に残り続ける。もしかすると、今回話を聞かせてくれた4人の先生たちの教え子たちが、保育者としてここに戻ってくる未来だってあるのかもしれない。そんな想像が膨らむ素敵な幼稚園だ。
法人名 | 学校法人野村学園 |
園名 | 高良内幼稚園 |
所在地 | 福岡県久留米市高良内町1226 |
電話番号 | 0942-43-7818 |
園児数 | 150人 |
職員数 | 33人 |
募集職種 | (1)幼稚園教諭 (2)保育士 |
仕事内容 | (1)幼稚園教諭は2歳児、3歳児、4歳児、5歳児のクラス担任、及び保育補助をします。降園後の預かり保育やバス添乗の仕事もあります。 保育時間以外では、制作物準備、お便り作成、環境整備、保育計画と準備、書類作成、行事準備等を効率良く行い、17時退勤できる体制をつくっています。 (2)保育士は0歳児、1歳児、2歳児、3歳以上児のクラス担任、及び保育補助をします。 正規職員よりもパート職員の割合が多いので、交代でノンコンタクトタイムを作り、制作物準備、お便り作成、環境整備、保育計画と準備、書類作成、行事準備等を行います。 |
雇用形態 | (1)幼稚園教諭 正規職員/パート職員 (2)保育士 正規職員/パート職員 試用期間3ヶ月(試用期間中同条件) |
給与 | (1)(2)幼稚園教諭・保育士ともに 正規職員 基本給180,000円~ 担任手当5,000円~ 役職手当5,000円~ 皆勤手当3,000円 処遇改善手当5,000円~ パート職員 時給1,000円~ |
待遇 / 福利厚生 | (1)(2)幼稚園教諭・保育士ともに ・通勤交通費(4,200~12,900円まで) ・私立学校共済組合(健康保険、厚生年金含む) ・労災、雇用保険 ・園内、園外研修制度あり ・昼食は自園給食(実費徴収) ・エプロン、上衣(ポロシャツ、トレーナー)は支給 ・住宅手当15,000円(市外から市内へ転居して就職される場合) ・賞与(1年目2カ月、2年目3.8カ月) |
勤務地 | ・高良内幼稚園(福岡県久留米市高良内町1226) ・キッズハウスふたば(福岡県久留米市高良内町1231-2) |
勤務時間 | (1)幼稚園教諭 正規職員の勤務時間 月~金 8:15~17:00(早出7:30~交代制) 土 8:30~14:30(土曜は月2回程度) ※年間変形労働時間制度 パート職員の勤務時間 月~金8:30~18:00の間でご希望に応じて (2)保育士 正規職員の勤務時間 月~土①~④の交代制 (月平均20日程度、年間変形労働時間制) ①7:30~16:30 ②8:30~17:00 ③9:00〜18:00 ④9:45~18:45 パート職員の勤務時間 月~土7:30~18:30の間でご希望に応じて |
休日休暇 | (1)幼稚園教諭 正規職員 土曜は月2回程度、日曜祝日、盆休、年末年始 パート職員 土日祝日、盆休、年末年始 (2)保育士 正規職員 日曜祝日、年末年始、その他(平日土曜) パート職員 日曜祝日、年末年始、その他(平日土曜) |
応募資格・条件 | 幼稚園教諭免許状、保育士資格 |
求める人物像 | こども達と真剣に向き合ってくれる人を歓迎します。 |
選考プロセス | 園見学に来ていただき、必要に応じて実習(職場体験)を行った後、面接・自己PR・適性検査により選考します。 |
ホームページ | http://www.kourauchi-kodomoen.com/ |
https://www.instagram.com/ kourauchikindergarten |
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