街と自然が交わる久留米で学ぶこと
福岡県久留米市の『合川みらい保育園』は、街のシンボルである筑後川からほど近い場所に位置している。九州自動車道の久留米インターチェンジからも近いため、市内外、エリアを問わず利用している保護者も多い。JR久留米駅には新幹線が通り、西鉄久留米駅からは福岡市内へのアクセスがよく、九州圏内の旅行にも最適な立地だ。
福岡県南部と佐賀県東部にまたがる筑紫平野最大の都市でありながら、まだまだ多くの自然が残っている久留米。近くの川へ魚を獲りに行ったり、田植えや稲刈り、季節野菜の収穫などを通して、自然との共存や食との繋がりをこどもたちと一緒に先生たちも学んでいる。
実体験から生まれた保護者支援「手ぶら保育」
そんな『合川みらい保育園』では、保育の在り方にとてもこだわっているという。コンセプトとして掲げている「手ぶら保育（登園に必要な持ち物を極力減らす取り組み）」について、末崎園長に聞いてみた。
ーー 手ぶら保育を導入した背景を聞かせてください。
園長「自分の実体験で、第一子のときすごく大変だったんですよね。保育園に入れるのも一苦労だったのに、保育園に入れてからもこんなに通わせるのが大変なんだ！と強く印象に残っています。育児休暇を取っていると24時間こどもとずっとべったりで、そこに息苦しさを感じることもあったんですよね。でも、保育園に行き始めたら今度はこどもとの時間が極端になくなってしまって。時間がないのにもかかわらず『もう保育園の準備しないと！』みたいに焦ることもありました。親だからいろいろ準備をするのが当たり前なんですけど、少しでも余裕を持ってこどもと過ごす時間を楽しみたい気持ちもあるんです。お迎えに行って、帰ってご飯を食べさせて、お風呂に入れて早く寝かせた方がいいってわかってはいるけれど、本当に時間に追われていて。これでいいのかな？って疑問に感じていました。
土日はもちろん休みだったから、こどもに合わせて朝5時くらいから一緒に起きて8時には公園で遊ぶ生活だったんですけど（笑）、逆に土日にめいっぱい遊ぶと疲れが出て、翌日熱が出たりして。仕事も育児も中途半端な自分が情けなく感じることが多々ありました。そういう大変さもあって、世の中のお母さんたちはどうしてるんだろう？と思うようになったんですよね。
そんな経験をした先に、保育園を立ち上げる話が出てきたんです。それなら世の中のお母さんのニーズを形にしたいと思って、ママ友とかにも手当たり次第アンケートを取りました。いろんな意見がありましたが、私と同じように『保育園に通わせる準備が大変』『持ち物が多すぎる』という声が多く届きました。働いてるお母さんたちのニーズも捉えつつ、こどもたちも満足できるような保育園作りを目指すなかで、『手ぶら保育』が生まれました」
親・子・保育者にいい循環が巡り出す
主任として『合川みらい保育園』の立ち上げから携わっている多良先生にも現場での様子を聞いてみる。
ーー「手ぶら保育」に対して、実際に保護者からどんな反応がありましたか？
多良「園長が実体験で感じていたように、家庭での準備の時間が削減できるのは大きなメリットのようです。持ち運ぶ荷物がほとんどないので、こどもと手を繋いで登園できることも喜ばれていますね」
ーー 親子の時間が増えるのは素敵ですね。逆に保育者のみなさんはどう感じているんでしょうか。
多良「実は職員としても、負担がすごく増えたわけではないんです。保護者との『パンツを何枚、上の服を何枚持ってきてください』というやり取りがなくなったので、それだけでも余裕が生まれました。それに、職員が無理せず手ぶら保育を推進できるように、園長自らアドバイスや提案をくれて、しっかりと向き合ってくれているので良い方向にいっていますね」
ーー 「手ぶら保育」の仕組みを教えてください。
多良「年齢によって枚数は変わりますが、基本はズボン・上の服・下着を3セットずつ持ってきてもらっていて、それらを保育園の棚で保管しています。活動中に汚れてしまったときは保育園にある衣類に着替えて、その汚れた衣類は園側で洗濯をしてまた棚の中に戻すという流れです。
洗濯は毎日していて、外遊びで一斉にみんなが着替えたときにはすぐに洗濯と乾燥機にかけています。洗濯した衣類はこどもたちと一緒に畳んで片付けるんですよ。家庭でするようなことを、自立を促す取り組みの一つとして、園生活のなかですべてのこどもができているところもいいですよね」
異業種での経験が保育現場をアップデート
ーー お二人は元々異業種から保育園を立ち上げたと伺いました。以前のご経験が今に活かされていることはありますか？
園長「私は以前は会社員だったのですが、保育園業界を全然知らないまま保育園を立ち上げてしまったので、まだまだ学ばないといけないことがすごく多くて。ですがその分、業界の常識にとらわれないようなことができるんじゃないかなと思っています。
私がやりたいと思ったことを、先生方がうまくこどもたちも巻き込んで一つの保育にしてくれているんです。みんなの意見を組み合わせながら作り上げていけているなと感じます。私一人だけだったら今の形にはなっていないですね」
多良「自分は元々医療施設で働いていたのですが、そこにはさまざまな職種の方がいたんですよね。なのでいろんな人とカバーし合いながら仕事をすることができていました。けれども、保育士は本来オールマイティーになんでもしないといけないじゃないですか。ピアノが弾ける、歌も歌える、計画も上手にできる、こどもの扱いも上手にできる、保護者ともスムーズにコミュニケーションが取れる…。『保育』という一言に括って、一人で全部をこなすのが一般的だと思います。
ですが、うちの園ではそれぞれが得意なことをやって、苦手なことはできる人がフォローする、というやり方を取り入れているんです。保育業界では休憩が取れなかったり、残業や持ち帰って仕事をするということが当たり前に行われているなか、『その感覚はおかしい』と園長がはっきり言ってくれているのでありがたいですね。仕事をしないという意味ではなく、どうしたら時間内に仕事を終わらせられるか、どうやったら休憩を取れるのかなどをしっかり考えるようになりました。一般企業での経験があるからこそ、こういう体制が整えられているのだと思います」
保育者の成長がこどもの未来を作る
ーー 保育園としては珍しい体験企画などをされているとお聞きしました。
園長「こどもの人格形成期と言われている時期に、保育園でもいろんな経験をさせてあげたくて。自分を含め、先生たちも年に一度は何か新しい取り組みをすることで、みんなで成長したいなっていう想いがあるんです。
新しいことをするって、結構ハードルが高いんですよね。自分だけだったとしても難しいけど、組織として何か新しいことをするってものすごくハードルが高い。たとえばイベントを屋外から屋内へ変えるなどちょっとした変化でも、準備物も段取りも変わってくる。けれど、ずっと慣れた環境にいると進化できない大人になってしまいます。成長できない大人と一緒にいるこどもたちには、未来がないと思うんですよね。だからこそ年に一回は何か新しいことにチャレンジしたいという気持ちでやっています」
ーー多良先生は日頃どんな想いでイベント企画をしていますか？
多良「他園と比べてもイベントをやってる方だと思います。基本的には季節に合わせた行事が多いですが、時代の流れなどを踏まえて、ひと工夫を加えて行うようにしています。たとえば今度開催する親子向けイベントでは、SDGsの観点を取り入れて建築廃材でものづくりをする予定です。
こどもたちだけでなく、保護者のみなさんにも知ってもらいたいことや、親子で感じてほしいこと、考えてほしいことを踏まえながらイベントを考えています。普段の保育でできないことをする機会になっていたり、保育の延長線上としてやっているイベントもあるので、こどもの未来に繋がる活動になっているのではないでしょうか。正直、通常業務をしながらの準備は相当ハードです。だけどその分のリターンも大きいですね」
こどもたちはもちろん、保護者、そして保育者にとっても前向きな未来を目指す『合川みらい保育園』。
業界の当たり前にとらわれない挑戦ができる環境で、園長自らがビジョンを描き、ともに実現していく頼もしい保育者のみなさんが揃っている。これからも新たな冒険が生まれるのが楽しみだ。
| 法人名 | 株式会社Banquet future |
| 園名 | 合川みらい保育園 |
| 所在地 | 福岡県久留米市東合川5-2-21 |
| 電話番号 | 0924-65-3799 |
| 園児数 | 40人 |
| 職員数 | 15人 |
| 募集職種 | （１）保育士 （２）保育補助（子育て支援員） （３）看護師 |
| 仕事内容 | （１）0歳児、1・2歳児、3歳児以上の3クラスに分かれて保育を行います。 それぞれのクラス担当もしくは、フリー保育士としての保育業務全般・連絡帳・計画・日誌等の記録関係の書類は、コドモンというアプリを使って入力、および記録。 （２）保育補助（子育て支援員）・保育士のサポート役として、子どもの見守り、トイレ・食事の介助、午睡の寝かしつけ、見守り、検温、連絡帳用の写真撮影、玩具・用具の消毒、掃除等 （３）看護師 ・体調不良児の対応、保健・衛生関連の情報提供や職員研修、通常保育のサポート業務等 |
| 雇用形態 | （１）保育士 契約社員/短時間パート （２）保育補助 短時間パート （３）看護師 契約社員 ・正社員登用あり（最短で雇用開始から1年以降） ・試用期間3ヶ月（試用期間中同条件） |
| 給与 | （１） 保育士 契約社員 基本給１８万円~ 資格手当２万円 処遇改善手当６千円~ 役職手当５千円~ 保育士 パート 時給1,080~1,200円（資格手当、処遇改善手当含む） （２） 保育補助：時給900円~（処遇改善手当含む） （３） 看護師：基本給１９万円~、資格手当２万円 |
| 待遇 / 福利厚生 | ・交通費実費分支給（上限：月1万円） ・労災、雇用保険 ・社会保険（健康、厚生年金）完備（勤務条件によります） ・社宅制度あり（正社員登用後） ・研修制度あり ・資格取得費補助あり（正社員登用後） ・正社員登用あり（入社後6か月） ・昼食は美味しい給食が頼めます（300円/1食） |
| 勤務地 | 合川みらい保育園 (福岡県久留米市東合川5-2-21) |
| 勤務時間 | （１）7：30～18：30の間で、8時間/日 （２）7：30～18：30の間で、2時間/日〜 （３）7：30～18：30の間で、8時間/日 ※時間帯の相談は応じます |
| 休日休暇 | ・日曜・祝日休み ・休日：9日/月（社員登用後） ・有給休暇 法令により付与されます ・年末年始休暇（12/29－1/3） ・男女とも産休・育休制度の取得実績があり長く働ける環境が整っています。 ・体調不良や家族都合（お子様の行事や病気など）による休みが取りやすい職場です。 |
| 応募資格・条件 | 保育士資格、子育て支援員資格、准看護士・看護師資格 |
| 求める人物像 | コミュニケーション能力の高い方、 自己実現意欲の高い方、大歓迎です。 自分の成長は仲間の成長であり、仲間の成長は自分の成長である！ 組織、チームとして個々がそれぞれの能力を存分に発揮し、 良い影響を与えられる働き方ができる方を募集します。 |
| 選考プロセス | 書類選考後、面接を行います。 必要に応じて、1~2日かけて職場体験を実施し、採否決定します。 |
| ホームページ | http://aikawamirai.ed.jp/ |
| https://www.instagram.com/ aikawamirai_0609/ |
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