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チームだからできる保育がある。
仲間と共に探求する楽しさ

福岡市内の自然豊かなエリア、東入部に位置するいるべ保育園。
園の周囲には山や田んぼがあり、四季の変化を肌で感じながらのびのびと遊ぶことができる環境だ。

多世代交流が盛んなことも東入部の特徴で、子どもたちが散歩に出かければ、地域の人々が「おはよう」「どこに行くの?」なんて気さくに声をかけてくれる。ここには、地域のみんなで子どもの成長を見守る、昔ながらの子育ての風景が残っているのだ。

「いるべ保育園では特別なことは何もしていないんです。私たちは子どもたちに何かを教え込むのではなく、子どもたちの生きる力を育むことを目指し、自ら学び、自ら考える力の育成を図ることが重要だと考えています。また、常に子どもたちの気持ちに寄り添い、一人ひとりの成長発達をしっかりと把握することをとても大切にしています。ここは、子どもが主役の園なんです」

そう語るのは、2022年にいるべ保育園の園長に就任した武内愛先生だ。チーム保育や縦割り保育、セミバイキング形式の食事、習熟度別保育など、子どもたちにとってよりよい園にするために、様々な保育の手法を試みてきた。

武内先生が目指すのは、一体どのような保育園なのだろうか。

主任保育士の三浦先生と、幼稚園から転職してきた山口先生の声も交え、三者から見た“いるべの保育”を紹介しよう。

担任制ではない「チームで保育」で、より深い部分を見極める


──「チーム保育」はいるべ保育園の特徴の一つかと思います。具体的にどのような保育なのですか?

武内園長「簡単に言うと担任制ではない保育のことです。従来は1人の担任が1クラスを担当するのが当たり前でした。しかし当園では現在、子どもの発達の個人差を十分に捉えることで“保育の個性化”の実現を目指しています。3歳クラスで過ごすのは3歳児だけとは限らず、4・5歳児たちも交ざっています」

──子どもたちはどのように過ごしているのですか。

武内園長「子どもたちがどのコーナーで遊ぶかを自分で選択し、その場所で過ごしています。各クラスの担任が合同で保育を計画することによって、子どもたちは複数の担任保育士と関わることができます。また、保育士たちはリーダー・サブリーダー・アシスタント・フリーの役割に分かれ、チームで保育を行なっているんです」

──各役割は交代制なのですか?

武内園長「交代制ですが期間は定めていません。子どもたちの様子に応じて、適切な時期に役割を交代しています。例えば年度途中に入園してくる子がいるときや、乳児クラスの離乳食の移行期など、子どもたちの節目となる時期には交代は行わず、保育者の役割を固定したほうがよいと考えています。日頃から子どもたちをよく観察し、タイミングを見極める力も求められます」

──高い専門性が必要ですね。

武内園長「そうですね。週に一度のチームミーティングでは、振り返りと共に子どもたちの姿を共有します。保育者の誰がどのポジションに入るかは、子どもたちの成長発達にも深く関わるため、議論や目線合わせの時間をしっかりと設けるよう意識しています」

──異年齢の子どもたちをチームで保育するスタイルについて、保育者のみなさんはどのように考えているのでしょうか。

武内園長「当初は職員たちから『なぜ自分のクラス以外の子どもを見なくてはいけないの?』といった戸惑いの声も挙がりました。しかし、クラスの垣根を取り払うことによって、幅広い年齢の子どもたちと関わる機会が生まれます。何より、保育の深い部分を見極めるためには、より多くの保育者の目が必要です。2022年からチーム保育を実践してきましたが、保育者たちは以前よりも広い視野をもって園全体の子どもたちに関わるようになったと感じています」

──子どもたちも色々な大人や異年齢の友達と関わる機会をもてますね。

武内園長「そうですね。他人との関わりの中で育つのが『自立』や『自律』です。その他にも、自由・責任・権利・社会性・協調性など人として生きるうえで大切なことは、すべて人の中で生まれ育っていきます。社会に出ると必ずしも自分に合う人ばかりとは限りません。しかし、色々な人がいるからバランスのとれた社会が生まれます。子どものうちから色々な人に出会い、色々な人と接することがとても重要なのです。子どもたちには、たくさんの人と関わって、生きる力を学んでもらえたらと思います」

チームだから一人で抱え込むことはない。幼稚園を辞めた私の再出発


幼稚園から転職してきた山口愛未先生は、なんと武内先生の元教え子だという。新卒で勤めた幼稚園を「向いていない」と感じて退職。その後、武内先生との再会を機に再び保育の道に戻ってきた。

──山口先生は、以前は幼稚園に勤めていたのですね。

山口先生「そうなんです。新卒で勤めていた幼稚園では、まだ経験が浅い中でクラスの主担任を務め、いつも大きなプレッシャーを感じていました。学年主任に悩みを相談したいけど、できる環境ではない。同期に話を聞いてもらいたいけど、みんな忙しそう。悩みを一人で抱え込み、保育の楽しさを感じられなくなり、よく泣いていたんです。保育の仕事は自分に向いていなかったと感じ、退職して別の仕事を始めました」

──そこからどのような経緯でいるべ保育園に転職したのですか?

山口先生「保育園の頃にお世話になった武内先生と再会したことをきっかけに気持ちが動き始めました。私が今まで幼稚園でやってきた保育について聞いてもらったり、先生がやろうとしている保育の話などをたくさん聞いて。いるべ保育園がどんなところなのか気になったので、まずは見学してみることにしました」

──いるべ保育園の第一印象は?

山口先生「のびのびと遊んでいる子どもたちの姿に惹かれました。そして私が特に興味をもったのが異年齢保育とチーム保育でした。園の中では子どもたちが当たり前のように年下の子をお世話したり、先生たちがチームで保育をしていたり、これまで私が見てきた保育とは違うと感じました。働いている先生から『一人ではなく、みんなで保育をしていこうね』という話も聞き、いるべ保育園で働くことを考え始めたんです」

──度離れた保育業界に戻ることに対し、迷いはありましたか。

山口先生「いるべ保育園ならチームのみんなで考えることができるから一人で抱え込むことはないと思ったし、私自身もここで成長できそうな気がしました。いるべ保育園で働きたいと親に言ったら『また働き続けられるの?きつかったんでしょ?』と心配されましたが『いや、行く』と宣言し、一人暮らしの準備をして東入部へ行きました」

──実際に就職してどうでしたか。自分の変化を感じましたか。

山口先生「視野範囲が広がったことを実感しています。子どもの気になる行動があったとき、以前は叱って終わりだったんです。でもいるべ保育園で働き始めてからは『この子の行動の理由は?私はどんなふうに関わっていたかな。関わりを見直してみようかな』と振り返ることができるようになりました」

──それは大きな変化ですね!

山口先生「子どもの姿をノートに記録することも始めました。見開きいっぱいにその子に関する気づいたことや成長の姿、気になることなどを書き残しています。例えば“お箸に興味をもっていた◯◯くんが、お箸を持てるようになった”など、つい見落としがちな成長もノートを見返すことで気づくことができるようになりました」

──現在の自分についてどう思いますか。

チームで保育することを経験し、色々な先生たちからも学ばせていただき、成長できたことを嬉しく思います。

子どもの成長の喜びを分かち合える仲間がたくさんいる


次に、主任保育士の三浦麻衣先生にも話を聞いてみた。三浦先生もまた、いるべ保育園の保育内容の改変に深く携わってきた一人だ。

──三浦先生がいるべ保育園に就職したきっかけは?

三浦先生「武内先生には新卒の頃からお世話になっていて、先生を追いかけてここにやってきました(笑)。武内先生は東京で園の立ち上げをしていたので福岡を離れていた時期もあるのですが、福岡でまた園長をするという話を聞いて、ぜひまた一緒に働きたいと思ったんです。ちょうど自分の保育に悩んでいるタイミングだったこともあり、武内先生の『子どもたちのためにこんなことをしたい』という熱意に心を打たれ、共感し、自分も一緒に携わりたいと伝えました」

──武内先生とは付き合いが長いのですね。三浦先生から見た武内先生はどんな先生なんですか。

三浦先生「知識がたくさんあり、追求することを妥協しない人。知らないことをそのままにせず、ちゃんと調べて私たちにも教えてくれます。研修があると『どう?』と声をかけてもらえるので、学びの機会もたくさんいただいていますね。

それから、私が間違えた方向に進みそうになったときに、その行動をした意図を聞いてくれるので、立ち止まって考えることができます。もう20年近い付き合いなので、昔はビシバシ指導されたこともありますが……(苦笑)。叱った後に、絶対に手放さないでいてくれる先生です。厳しさの中にも愛があり、指導をして終わりではなく、その後の行動まで見届け、最後まで伴走してくれるところに何度も救われました」

──いるべ保育園に来る前はご自身の保育に悩んでいたとのことですが、現在はどのような保育をしていますか。

三浦先生「昔の保育は、子どもたちがやりたくなくても一斉にやらせる傾向が強く、そこに違和感がありました。一方、今のいるべ保育園は子どもたちの気持ちを大切にしている園です。私たち保育者は、この子は今、何を考えどんなふうに感じているのかを丁寧に捉え、保育に反映しています。ただ好きなことをしているように見えるかもしれませんが、保育者は子どもの姿をしっかりと把握することに注力し、言葉がけや関わり方を模索し続けています」

──クラスや学年の隔たりがなく、保育者同士が協力できるのもいるべ保育園ならではの魅力ですね。

三浦先生「そうですね。どんな場面でもみんなで意見を出し合い協力してひとつのことを進めています。正規職員だけでなく非正規職員の先生たちも同じ目線で取り組んでくださっていて、みんなで保育をしていると感じますね。子どもの成長を共感し合える仲間がたくさんいることも嬉しいです」

保育を変えたことで、子どもにも保育者にも変化が


──子どもの気持ちを大切にする保育を実践することで、子どもたちには変化がありましたか。

武内園長「子どもたち自身が考えて、自分の気持ちを表現する姿が増えたと感じています。保護者の方からも『家庭での様子が変わった。自分の気持ちをしっかりと伝えられるようになってきて驚いた』というお話を聞きました。大人が子どもに指示を出す保育から、子ども自身が選択決定していく保育に変えたことによって、どんどん生きる力が身についているなあと実感します」

山口「私が幼稚園に勤めていた頃は一斉保育が当たり前だったので、指示をて子どもを動かすほうが楽だなあと感じてしまうこともありました……。でも、自分で考えて動くことができるいるべ保育園の子どもたちの姿を見て、子ども主体の保育をすることの大切さが分かってきました。『この年齢で、こんなことができるんだ!』とか『◯◯ちゃんはこんなにお友だちに優しくできるんだ』など、子どもに対する自分の気づきも増えました」

──子どもの変化に伴い、保育者自身の気づきも広がったのですね。

武内園長「子どもの成長を実感することは、自分の保育がこれでよかったんだという思いにも繋がりますよね。そこからさらに考えが深まり、問題の原因を子どもに求めるのではなく、気になる行動の背景にあるものに目を向けることができるようになります。以前と比べて、子どもに対する関わり方が変わってきた先生も多いです」

三浦「子どもたちは一人ひとり違うので、その子のよさを伸ばしていけるように保育を考えていきたいなと思っています。好きなことはその子自身が突き詰めていけるけど、苦手なことに挑戦するときは一歩踏み出すのにも勇気がいりますよね。私たちはそのきっかけづくりをしたいです」

子どもたちが色とりどりの花を咲かせることができるように


現在、いるべ保育園では一緒に保育をする仲間を募集している。採用の際に重視していることについて、武内先生に聞いてみた。

武内園長「“綺麗な花になるよりも、花を咲かせる土になれ”という言葉が大好きなんです。保育者たちには、子どもたちがそれぞれ色とりどりの花を咲かせることができる支えになってほしい。そして、心から保育に夢中になってもらえたらと思っています。

人は、今までのことを変えるのに勇気がいります。特に、長い間続けてきたことをやめるのには勇気がいるはず。まわりからの圧力でどうしても変えなければならないときは変わっていくものですが、能動的に自ら何かを変えていくのはとても大変なことです。

しかし、長く続けてきたと思っていたものが、実はほんの一時期だけのことであったり、常識と思っていたものがそうでないこともあります。

私たちは、今の子どもの実態や世の中を踏まえた上で、どんな子どもに育ってほしいのか、どんな子ども像が求められているのかを考えていかなければなりません。そのためにどのような保育や教育が必要なのかを知ることも必要です。そして、それを実行していくことが現場に携わっているものの使命です。どんどん保育を探求し、一緒に成長していきましょう。それが私の思いです」

いるべ保育園で働く保育者たちは、子どもたちが花を咲かせる日を楽しみに待ちながら、毎日の小さな芽吹きを見逃さず、支えている。

園のいたるところで、子どもたちの賑やかな声が飛び交い、明るい笑顔が弾ける。そんな子どもたちを見つめる保育者たちの視線は、まっすぐで愛情深く、成長を見逃さないプロの目だ。

「花を咲かせる土」とは、まさにこういう存在のことなのだろう。

 

募集要項

募集要項

法人名 社会福祉法人 JOY明日への息吹
園名 いるべ保育園
所在地 福岡県福岡市早良区東入部2丁目11-20
電話番号 092-804-2600
園児数 130人
職員数 28人(2025年4月1日時点)
募集職種 保育士
仕事内容 福岡市認可保育園における保育業務
雇用形態 保育士
正規職員:短大・大学新卒者
給与 正規職員:短大・大学新卒者
◆四大卒
月給 191,939 円
(内訳)
基本給 163,400円
処遇改善手当 9,804円
特殊業務手当 6,928円
調整手当 10,807円
◆短大・専門卒
月給 178,465円
(内訳)
基本給 152,200円
処遇改善手当 9,132円
特殊業務手当 6,088円
調整手当 10,045円採用初年度年2回 計4.45ヶ月
待遇 / 福利厚生 社会保険完備(労災保険/雇用保険/ 健康保険/厚生年金保険)
勤務地 いるべ保育園(福岡市早良区東入部2丁目11-20)
勤務時間 午前7:00〜午後7:00 交代制
休日休暇 日曜・祝日
年末年始休暇
応募資格・条件 保育士資格
応募書類(履歴書・成績証明書・卒業見込証明書・健康診断所)
求める人物像 ・時代や子どもの姿をふまえ、柔軟に保育を考えられる方
・「今までのやり方」にとらわれず、よりよい保育を探求できる方
・仲間と協力しながら、前向きにチャレンジしていける方
選考プロセス 筆記試験・個人面接
ホームページ https://joy-irubehoikuen.or.jp/
Instagram https://www.instagram.com/
irube_hoikuen

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